日本大百科全書(ニッポニカ) 「レバイン」の意味・わかりやすい解説
レバイン
ればいん
James Levine
(1943―2021)
アメリカの指揮者。オハイオ州シンシナティ生まれ。幼時からピアノで才能を発揮、ジュリアード音楽学校に進み、さらにルドルフ・ゼルキンにピアノを、アルフレッド・ウォーレンシュタインAlfred Wallenstein(1898―1983)に指揮法を学んだ。ジョージ・セルに認められ、彼のもとで1964~1970年クリーブランド管弦楽団の副指揮者を務める。1971年メトロポリタン歌劇場、1972年ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団とボストン交響楽団に登場して成功を収め、1973年メトロポリタン歌劇場の首席指揮者に就任、1976年から音楽監督、1986年からは芸術監督を務める。以来、欧米各地の歌劇場、オーケストラに客演、バーンスタイン以後もっとも注目すべきアメリカ出身の指揮者として高く評価された。1988年(昭和63)初来日。モーツァルトとベルディをもっとも得意とし、1999年からミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を兼任。ピアノも巧みで、声楽リサイタルの卓越した共演者としても名を成した。
[岩井宏之]
『前田昭雄著『レコードとの対話――音楽試論集』(1986・春秋社)』▽『ロバート・チェスターマン編著、中尾正史訳『マエストロたちとの対話』(1995・洋泉社)』▽『スカイラー・チェイピン著、藤井留美訳『わが友、すばらしきオペラの芸術家たち』(1998・フジテレビ出版)』