ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロア・バストス」の意味・わかりやすい解説
ロア・バストス
Roa Bastos, Augusto
[没]2005.4.26. アスンシオン
パラグアイの小説家,詩人。父親の仕事の関係で,グラニア語しか話せない先住民の住む村で育ったことが,のちの創作活動に深い影響を与えた。チャコ戦争 (1932~35) 時には病院で奉仕活動に携わり,戦後新聞記者として働きながら詩や小説を執筆した。 1947年の内戦でアルゼンチンに亡命し,ブエノスアイレスで創作に専念。初の短編集『木の葉にとどろく雷鳴』 El trueno entre las hojas (1953) で才能を認められ,19世紀からチャコ戦争時にかけてのパラグアイ史を錯綜した挿話と詩的なイメージを通して語った長編『汝,人の子よ』 Hijo de hombre (1960) で一躍有名になった。独裁者ホセ・ガスパル・ロドリゲス・デ・フランシアを主人公にした小説『至高の存在たる余生』 Yo el supremo (1974) も傑作。 1976年にフランスに移り,1989年に帰国した。 1989年セルバンテス賞を受けた。
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