ロタリンギア(英語表記)Lotharingia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロタリンギア」の意味・わかりやすい解説

ロタリンギア
Lotharingia

シェルデ川,ライン川,マース川,ソーヌ川に囲まれた地域の歴史的地名カロリング朝の西ローマ皇帝ルートウィヒ1世 (敬虔王)の3人の子ロタール1世,ルートウィヒ2世 (ドイツ王) ,カルル (のちのカルル2世〈禿頭王〉) はその遺領をめぐって争い,843年のベルダン条約でルートウィヒが東フランク,カルルが西フランクの王となったとき,長子ロタールはその中間地域と西ローマ皇帝位とを獲得した。この中間地域には北イタリア,ブルグンドも含まれていたが,855年に皇帝ロタール1世が3人の子に領土を分割したとき,第2子ロタール2世が王国として与えられた地域がロタリンギアである。その後,メルセン条約 (870) ,リブモン条約 (880) などによる再分割の結果,東フランク (ドイツ) 王国に属し,最終的にはハインリヒ1世のもとで,925年にドイツ王国に併合され,ロートリンゲン公国と呼ばれた。やがてその北部は小領域に分裂し,南部が近代のロートリンゲン (ロレーヌ) となる。

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