日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーヌ川」の意味・わかりやすい解説
ソーヌ川
そーぬがわ
la Saône
フランス東部の川で、ローヌ川の支流。全長480キロメートル、流域面積約3万平方キロメートル。ボージュ山地南部の標高396メートルの地点に発し、パリ盆地の南東縁を画するラングル高地およびコート・ドール山地と、ジュラ山脈との間に挟まれた広い谷底平野を南西流する。シャロンの上流左岸でドゥー川を受け入れ、マコンからぶどう酒産地として有名なボージョレー山地を右岸にみて、リヨンでローヌ川に合流する。合流点での年平均流量は毎秒400立方メートルを超えて比較的多く、その季節的な変化も規則的で、傾斜も緩やかである。そのため水運には有利で、ドゥー川を経てライン川と、中央運河によってロアール川と、ブルゴーニュ運河によってセーヌ川やマルヌ川とそれぞれ通じ、フランス東部における水運の大動脈となっている。ローヌ川のピエール・ベニット・ダムの建設により水位が上昇し、ローヌ―ソーヌ間の水運条件が改善された。
[高橋 正]