ハインリヒ1世(読み)ハインリヒいっせい(英語表記)Heinrich I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハインリヒ1世」の意味・わかりやすい解説

ハインリヒ1世
ハインリヒいっせい
Heinrich I

[生]875頃
[没]936.7.2. メムレーベン
ドイツ王 (在位 919~936) 。ザクセン朝始祖。ドイツにおけるカロリング朝が絶え,フランケン家のコンラート1世の過渡的王権が生れた頃のザクセン部族公で,当時の最有力諸侯の一人であった。チューリンゲンの領土をめぐってコンラート1世と常に対立していたがやがて和解し,その指名により 919年ドイツ王に選出された。彼は初代の神聖ローマ皇帝オットー1世 (大帝) の父であり,ドイツ王権の基礎をすえたものといってよい。即位当初,彼を国王として認めようとしないシュワーベンおよびバイエルンと戦ってこれを屈伏させ,また西方ではロートリンゲン回復のための戦いを2度にわたって起し,ついに目的を達成。他方,東方においてはマジャール人の侵入を押えるため,これを懐柔するとともに城塞を構築して防衛を固めた。また北東方ではスラブ人征服にも乗出し,928年のちのブランデンブルクであるブレンナボルを征服したが,これはのちのドイツ東部植民の発端とし重要な意義がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android