改訂新版 世界大百科事典 の解説
ロッキード・マーティン[会社]
Lockheed Martin Corp.
アメリカの大手軍需企業。大型軍用輸送機,対潜哨戒機,偵察機,ミサイルなどの戦略兵器の生産を主要な事業とする。本社メリーランド州ベセスダ。1932年,Lockheed Aircraft Corp.としてカリフォルニア州に設立。77年ロッキード社Lockheed Corp.に変更した。95年同じ航空・軍需企業のマーティン・マリエッタ社Martin Marietta Corp.と合併,現社名に変更した。1970年代に入り,L1011トライスターで民間輸送機市場にも参入したが,81年末には採算割れを理由に民間機の製造を中止した。収益状況は必ずしも安定しておらず,78年にはハリウッドバーバンク空港を売却,79年にはエネルギー部門のLockheed Petroleum Services Inc.を売却した。主要な軍用機としては,C130ハーキュリーズ輸送機,P3オライオン対潜哨戒機,TR1偵察機,C5Aギャラクシー輸送機,F16戦闘機などがある。また,海軍の艦隊弾道弾システムの主契約会社としてトライデントⅡを開発した。このほか,宇宙開発,エレクトロニクス,造船,航空支援サービスなどにも多角化している。宇宙計画関係の契約にはNASAとアメリカ国防総省のプロジェクトがある。売上げの約7割がアメリカ政府・同機関向けである。売上構成は,航空機32%,エレクトロニクス28%,宇宙システム19%,統合システム11%,その他となっている(2004年12月期)。売上高355億ドル(2004年12月期)。
執筆者:堀内 厚律
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報