改訂新版 世界大百科事典 「ローヤル運河」の意味・わかりやすい解説
ローヤル運河 (ローヤルうんが)
Royal Canal
アイルランドのダブリンからマリンガー,ロングフォードを経由してシャノン川に結ぶ,全長約130kmの運河。1789年着工,1817年開通。南側の,ダブリン~タラモア~シャノン川~バリナスローと走るグランド運河(1756着工,1805完成。全長約150km)とともに,アイルランド中央平野部を東西に走る大運河で,シャノン川上流アリナ地区の石炭の開発・搬出を予定したとされているが失敗し,開通当初からあまり利用価値はなかった。貨物(農産物,泥炭)と旅客輸送を行い,ダブリン~マリンガー間83kmをボートを馬に引かせて7時間半で旅客を運んだ。1845年には運河沿いに鉄道が敷かれることになり,運河も鉄道会社に買収され,以後産業,交通にはほとんど利用されなくなった。
執筆者:上野 格
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報