ワイン等輸入禁止措置(読み)わいんとうゆにゅうきんしそち/ろしあのわいんとうゆにゅうきんしそち

知恵蔵 「ワイン等輸入禁止措置」の解説

ワイン等輸入禁止措置(ロシアの)

ロシアは、反ロシア姿勢を強めたグルジアモルドバに対して、それらの国の主な輸出品であるワイン、ミネラルウォーター果物、野菜などの輸入を禁止した。2006年3月に両国のワインに有害物質が含まれているとして輸入が禁止され、次いですべてのアルコール飲料、果物と野菜の輸入が禁止された。05年のグルジアからロシアへの年間ワイン輸出量は全輸出の74.8%、モルドバは70%。両国は急いで代替市場を見つける必要が生じ、モルドバのウォロニン大統領とグルジアのサアカシュビリ大統領が4月に時を同じくして急遽北京を訪問、交渉を行ったが、中国がロシアの市場を代替することは政治的にも食習慣や経済的見地から見ても困難である。両国の窮状を見て、EUとGUAM諸国が連携した動きを見せた。ウクライナルーマニアがモルドバのワインを積極的に購入し始め、ルーマニアはモルドバのEU加盟の推薦人に公式に名乗りを上げた。リトアニアはグルジアに協力を申し出ている。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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