ミネラルウォーター(読み)みねらるうぉーたー(英語表記)mineral water

翻訳|mineral water

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミネラルウォーター」の意味・わかりやすい解説

ミネラルウォーター
mineral water

鉱泉水地中から湧出する泉水で,ガスまたは固形物質を 1l中 1g以上含むもの。泉源で 25℃以上を温泉,以下を冷泉といい,ミネラルウォーターは普通後者をさす。鉱泉飲料としての利用は水質の悪いヨーロッパがその起源とされる。温泉の豊富な日本では,医薬利用以外に飲料としての価値評価は低かったが,近年は河川汚濁などによる水道水の水質の低下,健康志向などから,ミネラルウォーターへの関心が高まった。食品衛生法により清涼飲料水の適用を受けており,さらに 1990年に定められた品質表示ガイドラインによって (1) ナチュラルウォーター,(2) ナチュラルミネラルウォーター,(3) ミネラルウォーター,(4) ボトルドウォーターに分類される。 (1) はミネラル調整などの処理をしないもの,(2) は (1) のうち無機塩類などが含まれないもの,(3) はミネラル調整を行なった地下水,(4) は蒸留などの人工処理を行なった水とされる。しかし,95年,雑菌異物混入が相次いで発見され,信頼性に疑問を投げかけた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミネラルウォーター」の意味・わかりやすい解説

ミネラルウォーター
みねらるうぉーたー
mineral water

各種のミネラル(無機質)や炭酸ガスなどを比較的多量に含んだ水。鉱泉水ともいう。元来は良質の地下水や鉱泉の水を浄化して、瓶詰缶詰にしたものであったが、最近は人工的に塩類などを添加したり、炭酸ガスを吹き込んだものがある。食品衛生法の清涼飲料水の基準が適用される。

 水質の悪いヨーロッパなどでは、この種の水が飲用されることが多く、なかでもレストランやホテルでは飲料水としてもっぱらミネラルウォーターを用いる習慣がある。フランスで市販されているエビアン、ビテル、ビシー(炭酸入り)などは著名で、輸出もされている。日本では、富士山六甲(ろっこう)山など各地の自然水が販売されている。水道の水が、原水の汚染や殺菌剤の多用などでまずくなったこと、洋酒の水割り用に良質水の需要が増えたことを背景に、最近ではミネラルウォーターの使用が増えている。代表的なミネラルウォーターの成分は、いずれもカルシウムがかなり多いが、一般に日本産のものはカルシウム含量が少ない。

[小島貞男]

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