日本大百科全書(ニッポニカ) 「わかさいも」の意味・わかりやすい解説
わかさいも
大福豆(白インゲン)を主材料とした半生(なま)の焼き菓子で、北海道洞爺湖(とうやこ)温泉の名物。洞爺湖周辺で収穫される特産の大福豆の粉に砂糖、卵を加え、サツマイモの色合いと風味をもつ餡(あん)をつくり、昆布のせん切りを混ぜ、小麦粉を練った皮でくるみ、表面に薄くしょうゆを刷(は)いて、天火で焼きいもそっくりに焼き上げる。1923年(大正12)に函館(はこだて)本線黒松内(くろまつない)駅で販売されたころは、菓名も「やきいも」であったが、1930年(昭和5)に洞爺湖温泉に移ったのを機に、創作者であるわかさいも本舗の初代・若狭函寿(わかさはこす)にちなみ「わかさいも」と名づけられた。
[沢 史生]