日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカマタ」の意味・わかりやすい解説
アカマタ
あかまた
[学] Dinodon semicarinatus
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。同科マダラヘビ属の1種で無毒ヘビ。奄美(あまみ)諸島、沖縄諸島に分布し、現地ではマツタブとよばれる。全長1~1.7メートル、例外的には2メートルを超える。体の背面は赤褐色で、頭部から尾部にかけて50~70個ほどの幅広い黒色の帯状模様が並ぶ。頭部はやや大きくて扁平(へんぺい)、瞳孔(どうこう)は縦長の楕円(だえん)形である。性質はかなり荒く、頭を三角形にして身構え飛びかかって噛(か)みつくので、はでな色彩も一因となって本種を恐れる人もあるが、まったくの無毒である。夜行性で、アジアのキングヘビともよばれるように、形態や習性が北アメリカ産のキングヘビ属に類似し、貪食(どんしょく)で、毒ヘビであるハブの幼蛇を含むヘビ類、ネズミ、カエルをとらえる。卵生である。
[松井孝爾]