アカントアメーバ角膜炎(読み)あかんとあめーばかくまくえん(英語表記)Acanthamoeba Keratitis

  • (眼の病気)
  • アカントアメーバ角膜炎 Acanthamoeba Keratitis

家庭医学館の解説

[どんな病気か]
 アカントアメーバ角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多くみられます。
 レンズ洗浄液に水道水を使用すると、その中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。
[症状]
 真菌性角膜潰瘍(しんきんせいかくまくかいよう)(コラム「真菌性角膜潰瘍」)と似ています。初期は角膜の濁りや充血がみられますが、強い痛みを訴えるのが特徴です。進行すると角膜中央に白色円形の混濁がみられます(検査法についてはコラム「アカントアメーバ角膜炎の検査」)。
[治療]
 非常に治りにくいものです。病巣部(びょうそうぶ)を掻爬(そうは)してアメーバを除去し(診断にも有用)、抗真菌薬を使用します。
 点滴の場合、その薬液の一部を点眼用に使うこともあります。診断が遅れ、治療が遅れると強い混濁が残ります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

六訂版 家庭医学大全科の解説

どんな病気か

 アメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気で、まれですが、角膜の感染症のなかでは最重症です。

原因は何か

 アカントアメーバは通常なかなか感染を起こしませんが、多くはアメーバで汚染されたコンタクトレンズを使用することによって生じます。

症状の現れ方

 非常にゆっくりと進行しますが、他の感染に比べて眼の痛みが非常に強いのが特徴で、涙もかなり出ます。また、白目の充血も非常に強くなります。視力の低下は初期は軽度ですが、徐々に見にくくなり、進行すると重度の視力障害となります。

検査と診断

 角膜の悪くなっている部分をこすり取って、アカントアメーバを検出しますが、特殊な病原体であり、また、めずらしい病気であるだけに、大きな総合病院でも検査が困難なことが多い点が問題になっています。

治療の方法

 アメーバに対する特効薬がないため、抗真菌薬を使用しますが、それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療を併用する必要があります。

 根治には何カ月もかかることがまれではありません。

病気に気づいたらどうする

 アメーバは非常に感染しにくい病原体であり、正しくコンタクトレンズを使用している場合に感染することはあまりありません。しかし、いったん感染すると、診断・治療は困難を極めます。この病気はそうならないように予防すべき病気といえます。

関連項目

 細菌性角膜炎角膜真菌症コンタクトレンズと眼感染(コラム)

井上 幸次

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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