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アスベストのクボタ・ショック あすべすとのくぼたしょっく

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知恵蔵2015の解説

アスベストのクボタ・ショック

2005年6月、大手機械メーカークボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表した。このいわゆる「クボタ・ショック」をきっかけに、アスベスト問題が再燃した。その後クボタは、工場周辺1km圏内の住民被害者にも労災並みの最高4600万円の救済金を支払うとし、石綿業界最大手のニチアスも、工場周辺400m圏内の住民被害者に最高3000万円の救済金を支払うとした。 一方、06年3月には石綿被害者救済法(石綿新法)が施行されたが、こちらの救済金額は最高300万円。同年6月末現在、申請した3967人のうち認定されたのは1割弱の320人にとどまる(環境・厚生労働両省まとめ)。1996年から交付されている「石綿に関する健康管理手帳」は、05年までの累計交付数2070件に対し、05年1年間の交付数が1493件に上った。また、石綿による労災申請は、05年度の肺がん・中皮腫の申請件数が1796人、認定722人でこれは前年の9倍近い数(共に厚生労働省発表)。いずれもクボタの公表以降に請求が急増したもので、ショックの大きさがうかがえる。 石綿紡績工場などが集中していた大阪府南部の泉南地域で石綿にさらされ、石綿肺や肺がんなどを発症した元工場労働者や周辺住民らが06年5月に、「石綿の危険性を知っていたのに規制措置などを怠った」として、国に賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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