日本大百科全書(ニッポニカ) 「アナトリア高原」の意味・わかりやすい解説
アナトリア高原
あなとりあこうげん
Anatolian Plateau
トルコの小アジア半島内陸部を占める盆地状の高原。アナトリアとはトルコ領アジアの名称であり、トルコ語ではアナドルAnadoluという。標高800~1200メートル。東に向かうほど高度を増し、アルメニア高原へとつながる。北はポントゥス山脈によって黒海と、南はトロス山脈によって地中海と、それぞれ隔てられているため海洋の影響が及ばず、年降水量は200~400ミリメートルにとどまり、中央部にはトゥズ湖のような塩湖やステップもみられる。農業の困難な地域では、モヘア糸のとれるアンゴラヤギやヒツジの牧畜が盛んであるが、灌漑(かんがい)用ダムの建設や地下水利用が進み、小麦、ヒマワリ、ブドウ、テンサイ、タバコなどが栽培される。首都アンカラのほかコンヤ、カイセリ、シバスなどの都市が存在する。
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