ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブー・サイード」の意味・わかりやすい解説
アブー・サイード(不賽因)
アブー・サイード
Abū Sa`īd
[没]1335
イランのモンゴル王朝,イル・ハン国第9代のハン (在位 1316~35) 。 12歳にして即位。宰相ラシード・ウッディーンおよびアリー・シャーの補佐を受けたが,1318年のラシード・ウッディーンの失脚後は,最高司令官アミール・チョバンの後見のもとに統治。チャガタイ・ハン国やキプチャク・ハン国からの攻撃を退け,また,エジプトのマムルーク朝と講和を結んだ。 27年にアミール・チョバンを除くことに成功したが,35年キプチャク・ハン国軍の侵入にそなえての陣中で没したときには,実権はジャラーイル族 (→ジャラーイル朝 ) のハサン・ブズルグや,チョバンの子ハサン・クーチェクらの掌中にあった。彼の死をもって,イル・ハン国は事実上滅びる。
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