アメリカ体制派経済学(読み)アメリカたいせいはけいざいがく(その他表記)political economy of American system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメリカ体制派経済学」の意味・わかりやすい解説

アメリカ体制派経済学
アメリカたいせいはけいざいがく
political economy of American system

アメリカ国民主義経済学 American political economyともいう。 1820~60年頃のアメリカにおいて主張された国民主義経済学をいう。アメリカの独立後,20年頃までは A.スミス以来のイギリス古典派経済学が支配的であったが,1820年代に入りアメリカの経済的後進性を反映して,保護貿易論基調に国内市場の開発とアメリカ産業資本の確立を説く経済学が台頭し,イギリスやヨーロッパへの従属から離れてアメリカ独自の経済体制の確立を意図したことからこの名がある。 D.レイモンドが主張し,当時アメリカに滞在していた F.リスト (『アメリカ経済学綱要』 Outline of American Political Economy〈1827〉) によって確立され,H.C.ケアリーによって完成された。なおこの派をアメリカ学派とも呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android