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アンチ・ヒーロー anti‐hero

世界大百科事典 第2版の解説

アンチ・ヒーロー【anti‐hero】

〈反主人公〉と訳す。本来は16世紀のスペインに勃興した〈ピカレスク小説(悪漢小説)〉の主人公である〈ピカロ〉すなわち〈悪漢〉を指す言葉であった。〈ヒーロー〉とはもともと〈英雄〉を意味し,多くの叙事詩ロマンス物語の主人公(ヒーロー)は模範的な人物で,文字通り〈英雄〉であった。それに反してピカレスク小説の主人公は,とうてい英雄とは呼べない卑小で,ときに邪悪な人物であるから,〈反英雄〉の意味でのアンチ・ヒーローであった。

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世界大百科事典内のアンチ・ヒーローの言及

【主人公】より

… 英語のhéro,フランス語のhérosがともに〈英雄=主人公〉を意味するとおり元来主人公とは凡俗を超えた神話的英雄であったが,それも物語の主人公たることによって英雄となりえたのである。文学の進化とともに,平凡退屈で無能な主人公が登場し,アンチ・ヒーローなどと呼ばれたが,彼らも主人公たることによって,レールモントフの言う〈現代の英雄〉たりえている。《異邦人》(カミュ)におけるように,かりに受動性の哲学を体現しているかに見えても,主人公はつねに物語を成立させる動的要素を代表するからである。…

※「アンチ・ヒーロー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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