アンモニア中毒(読み)あんもにあちゅうどく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモニア中毒」の意味・わかりやすい解説

アンモニア中毒
あんもにあちゅうどく

アンモニアによって引き起こされる中毒。冷凍作業や硫安工業などでこの中毒の危険がある。アンモニアは皮膚、粘膜の刺激および腐食性が強く、敏感な人は5ppmでも臭気を感じる。軽度のアンモニアの吸入でも、のど、鼻、目への刺激が強く、高濃度を吸入すると、呼吸困難、肺浮腫(ふしゅ)、肺の出血がおこる。また目に触れると角膜炎をおこすので、15分間以上流水で洗眼する。皮膚に作用したときも大量の水で十分に洗い落とす。アンモニアガスを吸入後、呼吸困難がおこったら速やかに酸素吸入を行う。中毒直後の症状が軽くても、数時間以上安静にしながら経過を観察する。労働衛生上の許容濃度は50ppmである。

[重田定義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android