アンモニウムアマルガム(英語表記)ammonium amalgam

改訂新版 世界大百科事典 「アンモニウムアマルガム」の意味・わかりやすい解説

アンモニウムアマルガム
ammonium amalgam

ナトリウムアマルガム塩化アンモニウムの濃溶液を加えるか,アンモニウム塩の液体アンモニア溶液を水銀を陰極として電気分解すると得られる,金属光沢をもった海綿状の固体。アンモニウム基NH4アルカリ金属と同じようにアマルガムになったものと考えられている。しかし,このアマルガムからNH4基を遊離基として単離する試みはまだ成功していない。きわめて不安定で,室温でもただちに大きく膨れあがり,アンモニア,水素を発生し,水銀を遊離して分解する。

 2NH4Hgn─→2NH3+H2nHg

低温で,水素よりイオン化傾向の大きい金属の塩の水溶液に加えると,その金属を遊離させる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android