大学事典 「インスティチュート」の解説
インスティチュート
一般に大学あるいは大学院レベルの教育機関の名称に使われている。ウィスコンシン大学の酵素研究所(Institute for Enzyme Research),アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)などのように,大学の研究所や政府が設立した大規模研究施設などの名称にも用いられる。民間企業の研究所にはInstituteは使われない。アメリカ合衆国ではMIT(Massachusetts Institute of Technology)やレンセラー工科大学(Lansselaer Polytechnic Institute)などがそうであるが,産業の発展を背景に理工系に特化した形で出発した大学は校名にInstituteを用いている機関が多い。スイス連邦工科大学(Swiss Federal Institute of Technology)も英語名ではInstituteを用いる。ドイツでは大学の研究組織名にInstitut(ドイツ語)が使われ,たとえば有機化学の研究組織はInstitut für Organiche Chemie(英語名:Institute of Organic Chemistry)である。これは,学科と訳しているアメリカの大学のdepartmentとはやや異なるが,日本の大学の学科的な組織である。
著者: 赤羽良一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報