ウスチ・ポルイ文化(読み)ウスチ・ポルイぶんか(英語表記)Ust'-Polui culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウスチ・ポルイ文化」の意味・わかりやすい解説

ウスチ・ポルイ文化
ウスチ・ポルイぶんか
Ust'-Polui culture

ロシア,シベリア西部,オビ川下流域の前1千年紀の文化。青銅器時代および初期鉄器時代にあたる。この文化のにない手である住民川岸の岬や高い段丘に住居 (大きいものは 100m2) を造り,主として野生トナカイの狩猟生業とし,漁労副業とした。住居址からは大量の鉄製ナイフ,青銅短剣装身具などが発見されている。

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世界大百科事典(旧版)内のウスチ・ポルイ文化の言及

【ウラル語系諸族】より

…両者はそれぞれボルガ・カマ流域のボロソボ文化および南シベリアのアンドロノボ文化に比定されるが,とくに前者は従来までの狩猟・漁労に加えて牧畜・農耕を開始,生産経済に到達したのである。原ウゴル文化は前1千年紀中葉に原オビ・ウゴルと原マジャールに二分,前者が鉄器時代のウスチ・ポルイ文化を経て現存のハンティ族と,マンシ族に連なるのに対し,後者はその後遊牧化し,南ロシアを経由してパンノニアへ移住したマジャール人となる。原フィン文化は前2千年紀中葉に分裂,一方のペルミ・フィンは鉄器時代に栄えたアナニノ文化を経たのちさらに分かれて現存のコミ(ジリャン)族,ウドムルト(ボチャーク)族となり,もう一方の原ボルガ・フィンも前1世紀初頭には,のちのモルドバ(モルドビン)族,マリ(チェレミス)族の先祖に当たるボルガ・フィンと,バルト海東岸方面へ移住した原バルト・フィンとに分化する。…

※「ウスチ・ポルイ文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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