ウレーデ(その他表記)Wrede, William

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウレーデ」の意味・わかりやすい解説

ウレーデ
Wrede, William

[生]1859.5.10. ビュッケン
[没]1906.11.23.
ドイツの新約聖書学者。ライプチヒ大学ゲッティンゲン大学神学を学んだのち,ランゲンホルツェンでの牧師生活 (1887~89) を経て,『第1クレメンスの手紙』の研究で教授資格を取り,ゲッティンゲン大学を経てプレスラウ大学助教授 (93) ,同教授 (95) となり,終生そこにとどまった。彼の名を不朽なものとした『福音書におけるメシア秘密』 Das Messiasgeheimnis in den Evangelien (1901) は,文献批判的な方法によって,『マルコによる福音書』がイエス的資料として歴史的に信頼しうるものであるという,当時のラッハマンやホルツマンのマルコ偏重を批判して大きな波紋を投げかけた。最古の福音書である『マルコによる福音書』では,イエスのメシア意識は問題とされておらず,メシア秘密という原始教団の神学が全体を支配しているというその見解は,ブルトマンをはじめ,ケーゼマン,ボルンカムらによって受継がれている。ほかに"Die Einheit des zweiten Thessalonicherbriefes" (03) ,"Paulus" (05) ,"Vortäge und Studien" (07) などがある。 (→メシア秘密 )

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