マルコ(読み)まるこ(英語表記)Markos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルコ」の意味・わかりやすい解説

マルコ
Markos; Mark

聖人。1世紀頃活躍。新約聖書の『マルコによる福音書』の著者と目される。「マルコと呼ばれているヨハネ」 (使徒行伝 12・12) と同一人物らしい。バルナバのいとこ。使徒ペテロ通訳者,秘書 (ペテロ1書5・13) ,使徒パウロの同労者 (ピレモン書 24) 。パウロの第1回伝道旅行にはパンフリヤのペルガまで従ったが,ここからエルサレムへ引返した (使徒行伝 13・13) 。しかしこの帰還を理由にパウロの第2回伝道旅行には伴われず,パウロの方針に反対したバルナバとともにクプロへ渡った (同 15・36~40) 。のちパウロの許しを得たらしく有用な人物として言及されている (テモテ2書4・11) 。マルコがイエスの生涯に直接接したかどうかについては暗示的な記事があるが (マルコ福音書 14・51~52) ,推測の域を出ない。エルサレムにあった彼の母マリアの家は祈りのための信者の集合場所であったと伝えられている。4世紀末の伝説によれば,アレクサンドリア教会を建てそこで死んだという。

マルコ
MARUKO CO., LTD.

体型補整下着を主力に,有店舗試着販売で急成長した女性用下着メーカー。1978年繊維製品の製造及び販売を目的として奈良県橿原市に設立。1979年業界初のファンデーションセットの販売を開始。全国に店舗(サロン)を設置して有店舗試着販売を開始,以後店舗数は急速に伸び,社業拡大の基礎となった。2016年健康関連事業を行なうライザップグループの子会社となる。2018年持株会社体制に移行し MRKホールディングスに社名変更,新設子会社のマルコが下着販売関連事業を継承した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルコ」の意味・わかりやすい解説

マルコ
まるこ
Markos

1世紀のキリスト教会で活動したとされるエルサレム出身のユダヤ人。『新約聖書』その他の当時の文書に名前をとどめており、ヘブル名で「ヨハネ」ともよばれる。マルコの母マリアの家は、イエスと弟子たちの集会所であったらしい。マルコは従兄弟(いとこ)のバルナバとともに一時パウロの伝道旅行に同行し、またペテロにも通訳として協力した。晩年にはアレクサンドリア教会で働いたと伝えられる。一説によれば、「マルコ伝福音(ふくいん)書」の編集がこのマルコに帰されるが、確かなことはわからない。

土屋 博]

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