細菌が生存戦略の一環として菌体外に分泌する毒素をエキソトキシン(外毒素)というのに対し,菌体が死んだ後に菌体の細胞壁などから遊離する毒素をエンドトキシン(内毒素)という.典型的なものとして,グラム陰性菌のリポ多糖(LPS,糖タンパク質と脂質の複合体)がある.脂質部分のリピドAが活性に重要である.血管内に入ったLPSはLPS結合タンパク質(LBP)に結合する.LPS-LBP複合体は白血球上のCD14とToll-like receptor(TLR)に認識され,細胞内に情報が伝わり炎症性サイトカインが産生される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ジフテリア菌,破傷風菌,ボツリヌス菌などが出す菌体外毒素に対して,赤痢菌,チフス菌,コレラ菌などの毒素のように,細菌の細胞内に保有され,菌体外に分泌されることがなく,その菌体の破壊によって遊出してくる毒素。内毒素,エンドトキシンとも呼ばれる。菌体内毒素と呼ばれるものの化学的な本体は,細菌の細胞壁に由来するリポ多糖,あるいはそれらとタンパク質の複合体である。…
…細菌が産生する物質で,動物に対して病原性をもっているものをいう。細菌毒素は従来,菌体内毒素(エンドトキシンendotoxin)と菌体外毒素(エキソトキシンexotoxin)とに大別されてきた。菌体内毒素とは,細菌が破壊または溶解したときに出現してくる毒素であり,菌体外毒素とは,細菌が菌体外に産生・放出する毒素である。…
※「エンドトキシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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