オオシモフリスズメ(読み)おおしもふりすずめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオシモフリスズメ」の意味・わかりやすい解説

オオシモフリスズメ
おおしもふりすずめ / 大霜降天蛾
[学] Langia zenzeroides

昆虫綱鱗翅(りんし)目スズメガ科に属するガ。日本のスズメガ類中の最大種で、雌ははねの開張160ミリメートルに達する。前ばねは白地に数本の黒帯があり、外縁が鋸歯(きょし)状に屈曲する。インド北部から中国南部を経て、日本、台湾に分布し、本州の東海地方以西、四国、九州に生息するものは亜種nawaiとされている。早春にごく短期間しか出現しない。幼虫ウメモモニワウメソメイヨシノなどに寄生するため、果樹園街路樹のある所で発生する。幼虫も成虫も、つかまえると摩擦音を発する。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のオオシモフリスズメの言及

【スズメガ(雀蛾)】より

…クチナシの木が小さいとき多数の幼虫が寄生すると葉が坊主になってしまうことがある。 日本最大のオオシモフリスズメは,翅の開張が13~15cmに達し,早春にだけ成虫の出現する変わったスズメガで,本州中南部から四国と九州の北半部に分布している。幼虫はウメ,スモモ,サクラなどおもに人為的に植えられた樹木に寄生する。…

※「オオシモフリスズメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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