オシラ様(読み)おしらさま

世界大百科事典(旧版)内のオシラ様の言及

【いたこ】より

…東北地方の津軽・南部地域で活躍する巫女の名称。多くは盲目の女性で,初潮前の少女期に師匠を決め弟子入りする。修業期間には,経文,大祓の祈禱,筮竹(ぜいちく)による占いなどを習得し,一種の神婚であるカミ憑ケの儀式により自らの守護神・仏を感得し,独立する。イタコはホトケ(死霊)の口寄せをすることに特徴があり,下北半島恐山,津軽半島金木町川倉の地蔵盆や地蔵講はイタコマチと称されて多くのイタコが集まる。また,春秋にはオシラアソバセと称し,村の旧家筋にまつられているオシラサマを両手に持ち,オシラ祭文を語りながら舞わせる。…

【おしら信仰】より

…東北地方に分布する家の神(屋内神)の信仰。桑の木などの木の先に,男女2体の顔や馬などの顔を彫刻または墨がきしたものにオセンダクと称する衣装を包頭形もしくは貫頭形に着せて,家の中の神棚の祠に納めまつったものをオシラ様もしくはオシラボトケという。福島県のオシンメイ様や岩手・山形両県にみられるオクナイ様も同系統の神であろう。…

【カイコ(蚕)】より

…カイコは正しくはカイコガと呼ばれ,鱗翅(りんし)目カイコガ科に属する昆虫で,その繭から絹糸をとるため古くから中国や日本などで飼育されてきた。
[カイコの祖先]
 カイコに最も近縁な昆虫としては,クワ畑に野生しているクワゴBombyx mandarinaがある。クワゴはカイコと同様カイコガ科に属し,カイコと交配して雑種をつくることができ,その雑種は完全な繁殖力をもっている。日本に生息するクワゴの染色体はn=27であるが,中国大陸にいるものは,カイコと同様n=28である。…

【クワ(桑)】より

…クワ科クワ属の植物の総称。葉はカイコの飼料として用いられるが,果実は食用になる。低~高木性の落葉樹であるが,温暖地では常緑的になる。葉は切葉と丸葉がある。花は雌花と雄花にわかれるが,小花が集まって花穂をつくる。風媒花であり,受精した雌花穂は白色または濃赤色の果実となる。春に伸長した枝は緑色であるが,秋になると灰色,褐色など種類に固有の色となる。根は直根性である。 カイコの飼料として養蚕に利用されるのがクワの最も重要な用途であるが,葉は桑茶を作るのにも用いられる。…

【初午】より

…稲荷神社としては京都の伏見稲荷大社や愛知の豊川稲荷が有名であるが,また各地には大小さまざまの稲荷があり,信仰を集めている。稲荷信仰とは別に,長野,山梨,埼玉などの養蚕地帯では,この日を養蚕祈願の日とし,蚕影様(こかげさま),オシラ様などの祭りをしたり,繭玉を作って屋内外の神に供えたりしているし,東北地方や東海地方には,馬(午)にちなんで蒼前様(そうぜんさま)や馬頭観音に参る所があるが,いずれも農事に関係したことである。近畿地方南部などでは,餅投げなど厄払いに関するいろいろな呪法が行われる。…

※「オシラ様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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