カクトアール(その他表記)caquetoire

改訂新版 世界大百科事典 「カクトアール」の意味・わかりやすい解説

カクトアール
caquetoire

フランスアンリ2世の時代にあらわれた,ゆったりした肘掛椅子宮廷に出仕する上流婦人の大きく張ったスカートベルテュガダン,英語でファージンゲール)の破損を防ぐために作られたもの。座の前部が広く後部が狭くなり,背板は細長く表面に豪華な彫刻装飾がほどこされる。名はフランス語の〈caqueter(おしゃべりをする)〉に由来する。イギリスでもエリザベス1世のころ,ファージンゲール・チェアと呼ばれる肘掛けのない椅子が流行した。
ファージンゲール
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

家とインテリアの用語がわかる辞典 「カクトアール」の解説

カクトアール【caquetoire〈フランス〉】

16世紀後半のフランスで作られた肘(ひじ)掛け椅子(いす)。上流婦人の大きく張ったスカートでも座りやすいように、座面前方の広がった台形になっていて、背板は細長い。また、4本の脚は下が横木でつながっている。イギリスでは同じような意図で考案された椅子としてファージンゲールチェアがあるが、肘掛けがないのが異なる。◇フランス語で「おしゃべりをする」の意の「カクテ(caqueter)」に由来。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

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