朝日日本歴史人物事典 「カクラン」の解説
カクラン
生年:1834.1.14
カナダ・メソジスト教会最初の来日宣教師。トロント市のメトロポリタン教会の牧師を勤めたのち,明治6(1873)年に来日。翌年,横浜のユニオン・チャーチで説教を行った際,中村正直を知り,招聘を受け,東京・小石川の同人社で教えるようになる。同年12月,中村に授洗。妻も一時同人社女子部で教え,「小石川バンド」の形成に貢献。しかし,「宣教師は,日本政府や日本人に雇われ,彼らに従う立場に立つことがあってはならない」と主張したカクランと中村の関係はやがて冷えた。同12年一時帰国。同17年に再来日,東洋英和学校(麻布学園の源流)を創立し,神学教育に尽力。旧約聖書の和訳にも貢献した。同26年に帰国後,南カリフォルニア大学神学部で教鞭を執った。<参考文献>高橋昌郎『中村敬宇』,A.Hamish Ion《The Cross and the Rising Sun》
(小檜山ルイ)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報