カリフォルニア高等教育マスタープラン(読み)カリフォルニアこうとうきょういくマスタープラン

大学事典 の解説

カリフォルニア高等教育マスタープラン
カリフォルニアこうとうきょういくマスタープラン

1960年に策定されたアメリカ合衆国カリフォルニア州の高等教育基本計画。この計画を主導したカリフォルニア大学総長クラーク・カー,C.は,マスタープランをして1860年代のモリル法に次ぐ偉大な高等教育改革であったと回想している。第2次世界大戦後のべビーブーマーは津波のように大学に到達するものと予想され,州はこの対策として州民の教育要求をもとに公立大学を機能別に分化し,これを統合し有機的な制度を策定した。誰もが入学可能な短期大学群を基底部に,総合制の州大学群(California State Universities)中間に,研究大学群であるカリフォルニア大学(Universities of California)を最上位におき,編入学制などを導入して柔軟な制度とした。計画は連邦政府からも財政支援などを受け,「すべてのひとに高等教育を」の理念はカリフォルニアの夢からアメリカの夢となったが,1980年代から90年代に顕著だった州の人口増加や財政難が計画の実施を困難にしている。
著者: 羽田積男

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報