カリフォルニア(英語表記)California

翻訳|California

精選版 日本国語大辞典 「カリフォルニア」の意味・読み・例文・類語

カリフォルニア

  1. ( California ) アメリカ合衆国西南部、太平洋岸の州。州都サクラメント。一八四八年メキシコから割譲、一八五〇年に三一番目の州となる。ブドウ、ナシ、レモンなどの果実やサトウダイコンの産額は合衆国一。石油の採掘航空機・ミサイル工業が盛ん。加州

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カリフォルニア」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニア[州]
California

アメリカ合衆国太平洋岸の州。略称Calif.。連邦加入1850年,31番目。面積41万1013km2(全米3位)。人口3725万3956(1位,2010)。州都はサクラメント,最大都市はロサンゼルス。州名は伝説上の楽園に由来し,16世紀スペインの作家モンタルボの騎士道物語に,アマゾンの女王カラフィアの住む島として登場する。1848年に米墨戦争の結果,合衆国領となる。太平洋岸南部を占め南境でメキシコに接する広い州で,自然環境の多様性は著しい。主として岩石海岸からなる太平洋岸に沿ってコースト・レーンジズ海岸山脈)が走り,内陸に連なるシエラ・ネバダ山脈との間には,長さ700km,幅100~200kmのセントラルバレーが広がり,肥沃な農業地帯をなす。北部は多雨で森林に恵まれるが,南部にはモハーベ砂漠や,コロラド砂漠の一部を占めるインペリアル・バレーと湖面高度海面下73mのソルトン湖がある。ホイットニー山(4418m)を最高峰とするシエラ・ネバダ山脈の南東には,盆地床で北アメリカの最低点(標高-86m)をなすデス・バレーがある。都市化,農業化が進んでいるが,ヨセミテ,キングズ・キャニオンセコイアなどの国立公園をはじめとして大自然はよく保護されており,シエラ・クラブのような環境保護団体の活動が盛んである。

 カリフォルニアの開発は,短期間に急速に行われてきた。とくに1848年に始まったゴールドラッシュ,さらに69年の大陸横断鉄道開通後は移住者が急増し,20世紀に入ってからは南カリフォルニアでオイルブームがおこった。また,快適な地中海式気候は,楽園的イメージをもつ〈ゴールデンステート〉として,国の内外から人々をひきつけ,社会的・文化的多様性が生じてきた。若者を中心とした風俗・文化の先進地域であるとともに,老齢人口の流入も大きい。民族的多様性も大きく,とくに400万以上のメキシコ系住民をもつ一方,19世紀後半以来中国人をはじめとして日本人,フィリピン人,朝鮮人などのアジアからの移民も多い。日系人はハワイに次いで多く,とくにロサンゼルス地域とサンフランシスコ湾岸に集中がみられる。日系企業の進出も著しく,貿易・観光を通じ日本との関係は密である。

 州経済の水準は高く,あらゆる産業がよく発達し,その総生産は独立した国家に匹敵する。ロサンゼルスを中心とした宇宙航空関連産業やシリコン・バレーの電子産業をはじめ,石油精製,食品加工,金属,機械,電子機械,化学などの工業が各地にみられる。ロサンゼルス一帯とセントラル・バレー南部は石油の大産地(全米4位)でもある。都市化,工業化が進んでいる一方,カリフォルニアは農業州としての性格を強くもつ。早くから灌漑が進められ,豊かな太陽光線と合理的な農法によって,野菜(1位)やかんきつ類その他の果樹,また綿花(2位),麦類,牧草(3位),テンサイなどの生産高が大きい。セントラル・バレー・プロジェクトをはじめとする水利事業によって水の有効利用が図られ,広大な乾燥地域の開発が進んでいる。カリフォルニアは西部の経済・文化の中心であるばかりでなく,あらゆる面でアメリカの先端をいく地域とみられている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「カリフォルニア」の意味・わかりやすい解説

カリフォルニア[州]【カリフォルニア】

米国,太平洋岸の州。略称Calif.,CA。コースト・レーンジズ,シエラ・ネバダ山脈が南北に並行して走り,その間にカリフォルニア盆地がある。最高峰はホイットニー山(4418m)。デス・バレーなどの低地がある。全体として地中海式気候であるが南部には砂漠もある。オレンジ,レモン,ブドウなど果樹栽培が盛んで,小麦,綿花,野菜も産する。水産業も盛ん。石油,天然ガスの生産では全米有数。かつてゴールドラッシュを招いた金,水銀などもある。第2次大戦後,航空宇宙工業,シリコン・バレーを中心とした電子工業など先端産業の発展がめざましい。ヨセミテ,キングズ・キャニオンなどの国立公園があり,観光業も重要。1769年最初の植民,メキシコ領となったが,1848年の米墨戦争の結果米国領。1848年に始まったゴールドラッシュ,1869年の大陸横断鉄道の開通で人口急増。1850年連邦加入。移民が多く,日系人はハワイに次いで多い。九つの分校から成るカリフォルニア大学がある。州都サクラメント。最大都市ロサンゼルス。40万3466km2。3880万2500人(2014)。
→関連項目ヒスパニック

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「カリフォルニア」の解説

カリフォルニア〔戦艦〕

《California》アメリカ海軍の戦艦。テネシー級の超弩級戦艦。船体識別番号はBB-44。1919年進水、1921年就役。就役から1941年までの20年間にわたり、太平洋艦隊旗艦をつとめる。1941年の日本軍による真珠湾攻撃により損害を受け、修理兼近代化改装を受ける。サイパン島の戦い、レイテ沖海戦などに参加。1947年退役。1959年、スクラップとして売却。

カリフォルニア〔自動車〕

イタリアのフェラーリが2008年から製造、販売している乗用車。2ドアクーペのオープンカー。4人乗り。DOHCのV8エンジンを搭載。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「カリフォルニア」の解説

カリフォルニア
California

アメリカ合衆国の太平洋岸にある州
メキシコ領であったが,1848年アメリカ−メキシコ戦争の結果,合衆国の領土となった。その直後に金鉱が発見され,フォーティーナイナーズ(49-ers)と呼ばれる移住者が翌1849年から殺到し,ゴールド−ラッシュを招いた。1850年,州に昇格。現在全米3位の面積の州となり,ハリウッドのあるロサンゼルスが最大都市である。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カリフォルニア」の解説

カリフォルニア
California

アメリカ太平洋岸の1州。1848年アメリカがメキシコから獲得した直後に金が発見されたため,人口が急増し,50年には州となった。現在はアメリカ最大の人口を持ち,在来の農工業に加え先端技術産業が「シリコンヴァレー」を中心に発展している。メキシコ系,アジア系住民の増大が特に州の南部で著しい。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカリフォルニアの言及

【アメリカ】より

…アメリカ合衆国の東半分は湿潤温暖気候で,合衆国の主要農業地帯となっている。合衆国の太平洋岸南部はカリフォルニア海流(寒流)の影響で夏の気温が高くならず,季節風の影響も少ないため,冬の気温も温和で,年間を通じて温和な地中海式気候を示す。カリフォルニア州北部からアラスカ南部の太平洋岸は北太平洋海流と偏西風の影響を受けて降水量が増加し,高緯度にもかかわらず冬が比較的温暖な西岸海洋性気候となる。…

【アメリカ・インディアン】より

… パレオ・インディアン文化よりもさらに古い先史文化の存在は,各種の資料に基づいて主張されてきた。たとえば,A.D.クリーガーによる〈先尖頭器文化〉,L.S.B.リーキーらによるキャリコ山(アメリカ合衆国カリフォルニア州)の旧石器,W.N.アービングらによるオールド・クロー盆地(カナダ,ユーコン・テリトリー)の古い骨角器の存在などがその根拠とされてきたが,いずれも全研究者を納得させる資料とはいい難い。そのなかで,北アメリカ東部ペンシルベニア州のメドークロフト岩陰遺跡出土の資料は,石刃技法による石刃,尖頭器の製作に特徴づけられる。…

【アメリカ合衆国】より

…さらに,宇宙開発関連(フロリダ州やテキサス州)やエレクトロニクス関係などの産業の拡大,冷房機器,プールなどの生活環境の改善が進むにつれ,人口流入は激増した。70年代には南部からカリフォルニア州にかけての本土南半部は,北半部〈スノー・ベルト〉に対して〈サン・ベルト〉と呼ばれ,その勃興が注目されるようになった。【正井 泰夫】
【地誌】
 多様な自然条件と歴史的条件のもとに発展したアメリカ合衆国は,政治的・経済的さらに文化的視点からながめた場合,地域間にかなりの差異が認められる。…

【キノ】より

…1681年5月ヌエバ・エスパニャに渡り,現在のメキシコのソノーラ州北部とアメリカのアリゾナ州南部一帯の原住民オオタム族,通称ピーマ族の間で宣教,彼らの定住化と帰順に大きな成果を挙げた。この間,各地を探検し,1700年の秋にコロラド川の河口を発見して,カリフォルニアが半島であることを確認した。なお,姓キノの元の形はキニChiniである。…

※「カリフォルニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android