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モリル法 モリルほうMorrill Act

世界大百科事典 第2版の解説

モリルほう【モリル法 Morrill Act】

アメリカ合衆国において,農業大学設立のため各州に公有地を与えた法律。1862年,ジャスティン・モリルの提唱により成立したので,この名で呼ばれる。この法の下で,各州は連邦議会上下両院議員1人当り3万エーカー(約1万2000ha)の公有地,または公有地証券を与えられ,その売却収入を資金に,農業および技術を教える大学を設立した。これらの大学は〈A and M(agricultural and mechanicalの略)カレッジ〉あるいは〈ランド・グラント・カレッジland‐grant college〉と呼ばれ,その多くはやがて州立大学へ成長していった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モリル法
もりるほう
Morrill Act

アメリカで南北戦争中に制定された、農科大学設立を目的とした公有地払下げの法律。イリノイ州の教育・農業改革家ジョナサン・B・ターナーが長年提唱してきた計画を、バーモント州選出下院議員モリルJustin Smith Morrill(1810―98)が法案として議会に上程し、1862年、大統領リンカーンの署名を得て成立した。この法律では、連邦側(北部)の各州は、連邦議会議員1名につき3万エーカー(1万2140ヘクタール)の公有地の交付を受け、農科大学の新設と強化にあたることが定められている。これによって設置、強化された大学(土地交付大学land grant college)は、イリノイ大学、カリフォルニア大学、マサチューセッツ大学、アイオワ州立大学など69大学に上る。[平野 孝]

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世界大百科事典内のモリル法の言及

【アメリカ合衆国】より

…しかしこの奴隷制度自体は,社会的公正や道徳上の問題はともかくとして,少なくとも工業文明とはあいいれず,結局,南北戦争(1861‐65)を引き起こす結果となった。すでに経済発展の加速は始まっていたが,戦争中には国立銀行法,関税法,自営農地法(ホームステッド法),土地交付大学法(モリル法)等が制定され,戦後の〈再建〉期に国内市場の統一が達成されるなどの条件が整ったため,終戦後には工業が本格的に経済発展をリードするようになった。著しい技術革新過程を反映したこの19世紀後半は,一口にいって蒸気機関と鉄の時代,あるいは鉄道建設の時代であったといえる。…

【工学】より

…しかし,これらの学校は広大な国土を有する新興アメリカの産業発展の担い手を養成するには十分なものとはとてもいえなかった。そこで登場したのが,62年に公布されたモリル法であった。これは,〈農業や工学mechanical artsに関連する学問分野〉のための教育機関を設立し振興するために,国有地を与えるという趣旨の法案であった。…

※「モリル法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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