ガブリエル合成(読み)ガブリエルゴウセイ

化学辞典 第2版 「ガブリエル合成」の解説

ガブリエル合成
ガブリエルゴウセイ
Gabriel synthesis

ハロゲン化アルキルを用いて,高純度の第一級アルキルアミンを合成する方法.ハロゲン化アルキルをフタルイミドのカリウム塩と反応させN-アルキルフタルイミドを生成し,これを加水分解して第一級アミンを合成する.このため,第二級や第三級アミンを副生することはない.一般に,アルキルフタルイミドの生成は遅いが,非プロトン性極性溶媒のDMFや,クラウンエーテル使用で反応が加速される.アルキルフタルイミドの加水分解反応は,酸や塩基触媒を用いるほか,ヒドラジンと加熱する方法も知られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガブリエル合成」の意味・わかりやすい解説

ガブリエル合成
ガブリエルごうせい
Gabriel synthesis

第一アミンを合成する方法。フタルイミドカリウムにハロゲン化アルキルを作用させると N -アルキルフタルイミドを生じる。これを加水分解すると第二アミンや第三アミンの混じらない第一アミンを得ることができる。

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世界大百科事典(旧版)内のガブリエル合成の言及

【フタルイミド】より

…これとハロゲン化アルキルとを反応させてから加水分解すると,第一アミンが合成できる。この反応は1887年にドイツのガブリエルSiegmund Gabrielが見いだしたもので,第一アミンのガブリエル合成,またはガブリエル反応とよばれる。ガブリエル反応はアミノ酸の合成にも用いられる。…

※「ガブリエル合成」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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