日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーターヘビ」の意味・わかりやすい解説
ガーターヘビ
がーたーへび
garter snake
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科ガーターヘビ属に含まれるヘビの総称。無毒ヘビで、名は縞(しま)模様がガーター(靴下留め)に似ることに由来する。この属Thamnophisには約20種があり、カナダ、アメリカ合衆国からコスタリカまで広く分布し、コモンガーターヘビT. sirtalisの1亜種がアラスカのユーコン川付近まで達している。全長は60~130センチメートルほどで、平地から4000メートルの高地に至る水辺にすみ、ミミズ、両生類、魚などを食べる。卵胎生(らんたいせい)で、夏に50~60匹ほどの子ヘビを産むが、繁殖期には冬眠地域から集団で移動して集まるものもある。自衛手段として肛門腺(こうもんせん)から嫌なにおいの液を出すものが多い。
[松井孝爾]