キリスト教考古学(読み)きりすときょうこうこがく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キリスト教考古学」の意味・わかりやすい解説

キリスト教考古学
きりすときょうこうこがく

遺物遺跡によってキリスト教文化を明らかにする学問をいう。対象とする時代は中世でも近代でも差し支えはないが、この学問の創始者イタリアロッシG. B. Rossi(1822―94)以来、古代重点が置かれている。研究調査は、カタコンベなどの多いイタリアがもっとも盛んで、ローマには教皇庁聖考古学委員会Commissione Pontificia di Archeologia Sacra(1851創立)があり、この方面での研究に中心的な役割を演じている。

角田文衛

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世界大百科事典(旧版)内のキリスト教考古学の言及

【考古学】より

…まず,ヨーロッパ考古学,中国考古学,日本考古学というような地域的な大区分があり,それぞれがまた,時代や文化によって細分されている。このほか,特定の課題や生活分野を取り扱う部門として,環境と人間のかかわり合いを研究する環境考古学,産業革命期を中心とした時代の産業技術を研究する産業考古学,キリスト教関係の建物や遺物を研究するキリスト教考古学,聖書の記述と遺跡・遺物の対比研究を行う聖書考古学,仏教考古学,美術考古学などが成立している。また,特定の方法・技術を駆使して研究を推進する部門として,航空写真の判読を行う航空考古学,潜水して水底の遺跡を調査する水中考古学,過去の技術を実験的に復原して仮説を検証したり,仮説構成のためのデータを得ようとする実験考古学などが成立している。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」