キン族(読み)キンぞく

百科事典マイペディア 「キン族」の意味・わかりやすい解説

キン(京)族【キンぞく】

中国,広西チワン族自治区の北部湾(トンキン湾)に面する防城各族自治県(1958年成立。現,防城港市)の〈京島〉と俗称される3島に主に居住するベトナム系の民族。1964年に中国少数民族として公認。ベトナムから移住して400年余りたち,沿岸漁業主体に兼農。かつて漢族チワン族から〈越(ベト)族〉などと呼ばれた。6〜8月ころ,歌祭〈哈節(ハーチエ)〉を盛大に行う。京島は風光明媚なため,近くの辺境貿易地点とともに観光地化しつつある。約1万8000人(1990)。
→関連項目ベトナム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キン族」の意味・わかりやすい解説

キン(京)族
キンぞく
Kinh

中国領内,広西チワン (壮) 族自治区の南端地域に住むベトナム人。人口約1万 50 (1990) 。かつては「越族」と称したが,1958年から現名称を公式名とする。祖先は 16世紀頃にベトナムから海岸沿いに北上して,現在のトンキン湾沿岸地帯に住みついたとされる。現存する最古の文献記録では,1511年にハイフォン方面から漂着した人々が村の守護神の祠を建立して開村したという。言語はベトナム語で,以前はチューノム (字喃)を用いた。漢族との長い交流から,ほとんどが広東方言も話し,漢字を使う。主生業は漁業で,農業と製塩業も兼ねる。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「キン族」の解説

キン族(キンぞく)

ベトナム人

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世界大百科事典(旧版)内のキン族の言及

【ベトナム人】より

…漢字では越南人と記され,周辺の少数民族からはキンKinh(京)族,キン人(〈主要民族〉の意)と呼ばれる。なおアンナン(安南)人Annamese,Annamitesは,フランス統治下での旧呼称。活力の旺盛な民族として知られ,人口は約5000万を数える。インドシナ半島の東端に位置し,S字形に南北に走る国土のうち,ソンコイ,メコンの二大デルタとその間を結ぶ狭小な沿岸平野に集住する。生業は水稲耕作を主とし,漁労にも従う。…

※「キン族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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