ギロチン社(読み)ギロチンしゃ

改訂新版 世界大百科事典 「ギロチン社」の意味・わかりやすい解説

ギロチン社 (ギロチンしゃ)

古田大次郎中浜鉄らによって1922年に結成されたテロリスト結社。1921年,古田は農民組織化のため小作人社をつくるが成果なく,テロリズムに訴えることを決意,中浜も同調した。翌年6月同社解散後,ギロチン社を結成。22~24年にかけ,訪日中のイギリス皇太子のテロル計画以後,一連の襲撃事件を起こすがいずれも失敗した。とくに,古田があやまって第十五銀行員を刺殺した小坂事件(23年10月),殺された大杉栄の復讐をねらう和田久太郎村木源次郎と古田らによる福田雅太郎大将狙撃事件(24年9月)は警察の警戒を強めた。24年4月中浜逮捕,9月10日古田・村木逮捕,他の同志も前後して逮捕され,ギロチン社は壊滅する。これらの事件は,おりから高揚する労農運動にテロリズムが無力なことを示す結果となった。その後,村木は肺患で死亡,和田無期となるが獄中で縊死した。古田と中浜はみずから望んで処刑されたという。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android