クリステーロス(読み)くりすてーろす

山川 世界史小辞典 改訂新版 「クリステーロス」の解説

クリステーロス
cristeros

1926年から29年にかけて,メキシコ先住民混血の下層農民が,政府の反教会政策に抵抗して繰り広げた武装闘争の参加者をいう。24年に就任したカリェス大統領がカトリック教会の活動を制限する政策を実施したため,これに対抗して,神父たちが教会活動を停止したことをきっかけに,ハリスコ州などメキシコ中央部でゲリラ軍が組織され,反政府闘争を展開した。鎮圧に手を焼いた政府がアメリカ助言を受け入れて29年に反教会政策を緩和したため,闘争は終結した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクリステーロスの言及

【シナルキスモ】より

…シナルキスモが望んでいるのは有産者と自由な人間のための祖国である〉と主張した。軍隊的規律でもって統率された同盟は私的所有制を擁護し,〈集産主義的〉〈社会主義的〉方向へのカルデナス改革の行過ぎを批判するとともに,1920年代のクリステーロスcristerosの運動から神秘主義的伝統を継承することにより,単なる外来のファシスト組織からメキシコに根づいた一大民衆運動へ発展し,とりわけ官僚主義的な農地再分配政策に不信をつのらせた後進的な中部諸州の貧農層の間に広範な支持を見いだし,最盛期の1940‐41年には50万名強をも動員することができた。ようやく44‐48年に衰退に向かうが,現在でも隠然たる勢力をほこり,79年総選挙では同盟の後身,メキシコ民主党(1971創設)が約30万票を集めて400議席中の10議席を得,体制内超保守派の一角を占めた(89年現在,500議席中13議席)。…

※「クリステーロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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