ハリスコ州(読み)ハリスコ(英語表記)Jalisco

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリスコ州」の意味・わかりやすい解説

ハリスコ〔州〕
ハリスコ
Jalisco

メキシコ南西部,太平洋に面する州。州都グアダラハラ。西マドレ山脈が西寄りをほぼ南北に連なり,森林におおわれた狭い海岸平野と,広大なメキシコ高原の一部をなす東の高原地帯を分ける。山地には火山もあり,地震が多い。湖が多く,州中央部にはメキシコ最大のチャパラ湖がある。沿岸部は高温多雨の熱帯気候であるが,内陸部ではより乾燥した快適な亜熱帯ないし温帯性の気候に変る。住民にはインディオメスティーソ (スペイン系白人とインディオの混血) が多い。主産業は農業で,高原地帯でトウモロコシ,コムギ,豆類,沿岸地帯でサトウキビワタイネ,タバコなどが栽培される。またアガベ (リュウゼツランの一種) の栽培も盛んで,その液から蒸留される地酒は,州都北西約 50kmにある栽培中心地の町の名にちなんで,テキーラと呼ばれる。沿岸部では林業,高原地帯では牧畜も盛ん。鉱物資源としては銀,金,辰砂 (水銀の原鉱) ,銅などがある。鉱石精錬のほか,織物,セメント,食品,発電などの工業が行われる。州都を中心に交通網が発達。チャパラ湖周辺は観光客が多い。面積8万 836km2。人口 527万 8987 (1990推計) 。

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