クリップス(Sir Richard Stafford Cripps)(読み)くりっぷす(英語表記)Sir Richard Stafford Cripps

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クリップス(Sir Richard Stafford Cripps)
くりっぷす
Sir Richard Stafford Cripps
(1889―1952)

イギリスの政治家。ロンドンに生まれ、ロンドン大学を卒業後、弁護士となる。1931年労働党下院議員となり、党内左派の指導者として社会主義連盟を率いて、共産党などと提携しての反ファシズム人民戦線の結成を目ざした。しかし党主流にはいれられず、1939年党から除名された。第二次世界大戦中は、左派としての経歴を買われ駐ソ大使を務めた。またクリップス使節団団長としてインドに赴き、戦後自治を与える方針を示すことによってインド民族運動に戦争協力をさせようとしたが失敗した。戦後は労働党アトリー内閣の商務相、経済担当相、蔵相を歴任し、蔵相時代は耐乏生活を国民に説いて経済危機を乗り切ろうとした。

[木畑洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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