ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クールノ」の意味・わかりやすい解説
クールノ
Cournot, Antoine-Augustin
[没]1877.3.31. パリ
アントアーヌ=オーギュスタン・クールノ。フランスの数学者,経済学者,哲学者。エコール・ノルマル,ソルボンヌ大学で数学を学び,1831年パリ大学助教授,1834年リヨン大学教授。1838年教育監督官,1854年グルノーブルのディジョン・アカデミーの校長になったが,1862年公職を去り,以後は著述に専念。諸科学の根底に秩序,偶然,蓋然性(確率)の三概念を認め,確率論(蓋然論)を自然科学にも社会科学にも適用した。特に『富の理論の数学的原理に関する研究』Recherches sur les principes mathématiques de la théorie des richesses (1838) は,近代経済学の 19世紀前半における最も重要かつ先駆的な著書である。また,クールノの扱う問題領域は広く,哲学にも及んだ。そのほかの著作に"Exposition de la théorie des chances et des probabilités"(1843),"Essai sur les fondements de nos connaissances et sur les caractères de la critique philosophique"(1851)などがある。
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