精選版 日本国語大辞典 「蓋然論」の意味・読み・例文・類語 がいぜん‐ろん【蓋然論】 〘 名詞 〙 人間の知識は絶対的な確実性に到達できないから、十分な確からしさをもった知識で満足すべきであるとする立場。懐疑論の一種で、古代の新アカデミー派、近代ではパースのプラグマティズムがこれに属する。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蓋然論」の意味・わかりやすい解説 蓋然論がいぜんろんprobabilism 認識論上の蓋然論は,真もしくは偽であるとの絶対確実な認識には達しえず,すべての判断はなにがしかの蓋然性をもつとする緩和された懐疑論。カルネアデス,キケロ,モンテーニュ,ヒュームらの立場。また特に道徳論では,行為の選択にあたりそれを可とする根拠があれば,ある行為をなしうるとする。体系としては 16世紀のバルトロメウスが提出したが,確定しえない諸要素をはらんだ実践という場面では,蓋然論が有力となる傾向をもっている。仮の道徳を立てたデカルトの態度もそれである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報