富の理論の数学的原理に関する研究(読み)とみのりろんのすうがくてきげんりにかんするけんきゅう(その他表記)Recherches sur les principes mathématiques de la théorie des richesses

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

富の理論の数学的原理に関する研究
とみのりろんのすうがくてきげんりにかんするけんきゅう
Recherches sur les principes mathématiques de la théorie des richesses

フランスの経済学者アントアーヌ=オーギュスタン・クールノ主著で,経済学に数学を本格的に導入した著作の一つ。レオン・ワルラスに大きな影響を与えたとされる。1838年刊。生産者を所与の費用関数に基づいて利潤を最大にするように産出量を決定する経済主体として定式化した。右下がりの需要法則を所与として独占における価格需要供給の決定から出発し,複占寡占および完全競争の場合の価格と需要・供給の決定を明らかにしている。特に複占の場合の均衡概念はクールノ=ナッシュ均衡としてゲームの理論枠組みで重要な役割を果たしている。

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世界大百科事典(旧版)内の富の理論の数学的原理に関する研究の言及

【クールノー】より

…62年公職から退き,77年3月パリで没した。 経済学の著書のうち,とくに《富の理論の数学的原理に関する研究》(1838)は数理経済学の創始と評価されている。この著書で,需要量の価格への依存は経験的な法則であると説き,これを需要法則と呼び,需要曲線,需要関数として表現した。…

※「富の理論の数学的原理に関する研究」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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