改訂新版 世界大百科事典 「グデーリアン」の意味・わかりやすい解説
グデーリアン
Heinz Guderian
生没年:1888-1954
ドイツ陸軍上級大将。ドイツ装甲部隊の育成者で,第2次世界大戦中の装甲指揮官。プロイセンのクルム(現,ポーランドのヘウムノ)に生まれる。歩兵・通信将校であったが,両次大戦の間に装甲部隊の運用理論を研究,ヒトラーの支援を得て装甲部隊を育成した。第2次大戦ではポーランド,フランスで装甲軍団を率い電撃戦演出の主役となった。ソ連進攻ではモスクワ南方にまで迫ったが,1941年12月ソ連軍の反撃と厳冬のために壊滅に瀕した部隊を後退させ罷免された。43年春,装甲部隊再建のため装甲兵総監に再起用され,また44年7月ヒトラー暗殺事件直後,陸軍参謀総長を兼ね,降伏直前まで東部戦線の対ソ連軍作戦を指導した。
執筆者:前原 透
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報