ケト-エノール互変異性(読み)ケトエノールゴヘンイセイ

化学辞典 第2版 「ケト-エノール互変異性」の解説

ケト-エノール互変異性
ケトエノールゴヘンイセイ
keto-enol tautomerism

相互変換できる構造異性体間の平衡互変異性といい,互変異性の関係にある構造異性体は互いに互変異性体(tautomer)であるという.互変異性の多くは,水素原子の結合位置が異なる互変異性体間の平衡である.その代表的な例が,アルデヒドケトンにおける,ケト形エノール形の間の互変異性である.この互変異性をケト-エノール互変異性という.たとえば,アセトンの水溶液中には,エノール形が0.1 ppm 程度存在する.アセチルアセトンでは,エノール形の割合は77% に及ぶ.

エノール形は,存在割合が非常に小さくても,その存在はきわめて重要である.カルボニル化合物の多くの反応は,エノール形を経由しているからである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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