ケンタッキー・バージニア決議(読み)けんたっきーばーじにあけつぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケンタッキー・バージニア決議
けんたっきーばーじにあけつぎ

18世紀末、アメリカ合衆国で連邦派によって制定された外人法、治安法への反対を直接の契機として、ケンタッキーおよびバージニアの州議会で可決された三つの決議ケンタッキー決議(1798年11月16日、99年11月22日)はジェファソンバージニア決議(98年12月24日)はマディソンによって起草された。米仏関係の悪化を背景に、連邦派は、外国人の帰化に要する年限を延長し、彼らの取締りに関する大統領の権限を強化した外人法、政府や大統領に対する悪意ある批判を取り締まる治安法を制定した。反連邦派はこれを言論・出版の自由への圧迫とみなし、憲法違反であると宣言したが、他州の同調は得られなかった。両決議の内容はこれにとどまらず、とくにケンタッキー決議は、連邦政府の権力行使の合憲違憲を判断する権利は州にあるとし、さらに連邦法の無効を宣言できるとした。これは後の南部の州権論の主張につながるものであった。

[竹本友子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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