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… 帰化動物には,人間が意識して有用な動物を移入し,帰化を図った場合と,人間がそのような意識なしに動物を移入し,偶然の機会に帰化した場合とがある。人間が意識的に帰化を図って成功したものとしては,日本には,沖縄県が毒ヘビ,とくにハブの駆除を目的として,1910年にインドから移入し渡名喜島などに放したマングース,農林省が狩猟鳥を増やす目的で,19‐20年に中国南部から移入し,東京と神奈川に放したコジュケイ,同じく30年ころから数次にわたって朝鮮から移入し,北海道日高に放鳥したコウライキジ,カの駆除を目的に台湾から移入し,東京,千葉などで野生化している北アメリカ原産のカダヤシ(タップミノー),食用に中国から移入し,利根川水系で野生化しているソウギョなどがある。 偶然に帰化したものとしては,飼育していたものが逃げ出して定着したものに,1918年ころから食用に北アメリカから移入し,各地で養殖していたが,その一部が逃げ出して各地に野生化したウシガエル,そのウシガエルの餌として30年ころ神奈川に移入して養殖していたところ,大雨による出水で逃げ出して,付近の水田などに野生化し,しだいに各地に分布を広げたといわれる北アメリカ産のアメリカザリガニ,35年ころ食用に台湾から移入したものが,小笠原,奄美,沖縄などに野生化した,アフリカ原産のアフリカマイマイなどがある。…
…しかし,キジは狩猟鳥であるため,各都道府県によって人工増殖および放鳥が毎年行われてきた結果,各亜種が各地で入りまじり,現在,各亜種間の差異は明りょうではなくなっている。また,北海道,対馬,八丈島では,もともとキジがすんでいなかったが,大陸の亜種であるコウライキジ(イラスト)が人為的に放鳥され繁殖している。 雄は全長が80~90cmあるが,そのうち尾羽が40~50cmもある。…
※「コウライキジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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