鳥類に特有な羽毛の色。化学的色素による着色と、羽毛の物理的微細構造に基づく反射光沢による構造色とがある。多くの鳥には美しい羽色があり、これは、鳥が昼行性の動物であること、よく発達した色覚をもつことと関係している。さらに、それぞれの種は、種に固有の羽色をしている。種によって羽色が異なるのは、同じ種の雄と雌が間違わずにつがいを形成するのに役だっている。
雌雄の羽色が著しく異なっている場合、一般に美しい羽色をしているのは雄である。これは繁殖活動における雌雄の役割の違いと関連している。雄は自分の存在を雌に対して引き立たせ、また、ほかの雄に対してテリトリー(縄張り)を防衛しなければならない。したがって、目だった美しい羽色をしていることが重要である。一方雌は、巣内で卵を温めたり、雛(ひな)の世話をしたりするために、外敵に対してなるべく目だたない存在でいなければならない。そこで、じみな羽色をしている必要が生ずるのである。このようなことから、一夫多妻や乱婚様式で繁殖する鳥ほど、雄がはでな羽色をしている。また、タマシギ類、ヒレアシシギ類など雌雄の役割が逆転している鳥では、雌のほうが美しい羽色をしている。
[樋口広芳]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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