コバルト・バイオレット(英語表記)cobalt violet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コバルト・バイオレット」の意味・わかりやすい解説

コバルト・バイオレット
cobalt violet

絵具の色名の一つ。紫色顔料で,ライトとディープの2種類がある。コバルトバイオレット・ライトの組成はヒ酸コバルト Co3As2O4・8H2O で,1880年ジェンティユによって製法が発明された。赤みのある明るい紫で,不透明色。鉛系の絵具や鉄分を含む絵具との混色は避けなければならない。皮膚粘膜をおかす毒性があるので取扱いに注意を要する。乾燥後,湿気を吸うと赤みをこわす性質があるので,ワニスで被覆することが必要。コバルト・バイオレット・ディープの組成は,リン酸コバルト Co3(PO4)2 で,59年サルベタによって製法が発明された。性質はライトものと同じ。

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