コバルト
cobalt
元素記号 Co ,原子番号 27,原子量 58.933200。周期表9族に属する。天然には質量数 59の同位体が1種類だけ存在し,非放射性である。地殻存在量は 23ppmで,比較的豊富に存在する。海水の平均含有量 0.3μg/l 。 1733年 G.プラントにより発見された。主要鉱石はヒコバルト鉱,輝コバルト鉱。単体は灰白色の硬い金属で展延性がある。粘度は錬鉄より大,硬さ,剛性も鋼にまさる。強磁性体。塩酸,硫酸には溶けにくいが,希硫酸に易溶。3価のコバルトイオンには多数の錯塩が知られている。高速度鋼,耐食鋼,磁性材料などに用いられる。塩類はメッキ,ガラスや陶磁器の青色着色料,ペンキやワニスの乾燥剤,フィッシャー法による石油合成の触媒などの用途がある。ビタミン B12 の成分として重要である。
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コバルト
元素記号はCo。原子番号27,原子量58.933194。融点1495℃,沸点2930℃。鉄族に属する元素の一つ。1735年G.ブラントが発見。鉄に似た光沢をもつ灰白色の金属。硬度5.6。強磁性。空気中できわめて安定。酸には徐々に溶けて水素を発生するが,硝酸に対しては表面のみ酸化されて不働態をつくる。高速度鋼,永久磁石,耐熱・耐食鋼,超合金などの各種合金の成分として重要。酸化コバルトはガラスや陶磁器の青色着色剤とされる。通常ニッケルに伴って産し,鉱石はスマルタイト,輝コバルト鉱,コバルト華など。鉱石を焼いて酸化物にし,不純物を除いたのち炭素,一酸化炭素,水素などで還元して得る。日本では,ニッケル,コバルトの混合硫化物から,電解採取法によって製造。生体必須元素であり,コバルトを含むビタミンB12は,補酵素として重要。放射性同位体の6(0/)Co(半減期5.26年)は医療用などに利用。
→関連項目コバルト・リッチ・クラスト|放射線治療
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コバルト
原子番号27,原子量58.93320,元素記号Co,9族(旧VIII族)の元素.必須微量元素の一つ.ビタミンB12の構成成分.
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コバルト
アメリカのゼネラルモーターズがシボレーのブランドで2004年から2010年まで製造、販売していた乗用車。4ドアセダンと3ドアクーペ。サターン・アイオンの姉妹車。
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コバルト【cobalt】
微量ミネラルのひとつ。元素記号はCo。葉酸や鉄などとともに骨髄内で正常な赤血球のヘモグロビン合成を促すビタミンB12の構成成分。主に肉類・魚介類・乳製品などの動物性食品に多く含まれる。さまざまな酵素を活性化し、ビタミンB12として肝臓に貯蓄されて胆汁中に排泄されるほか、悪性貧血の抑制、神経機能の正常化、精神安定作用、筋萎縮の防止などの作用をもつ。
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コバルト【cobalt】
周期表元素記号=Co 原子番号=27原子量=58.9332地殻中の存在度=25ppm(29位)安定核種存在比 59Co=100%融点=1494℃ 沸点=約3100℃比重=8.9(20℃)電子配置=[Ar]3d74s2 おもな酸化数=II,III周期表第VIII族(鉄族)に属する金属元素。コバルトを含む鉱物は古くから陶磁器やガラスなどに青色を与えることが知られ,古代エジプトにおいてすでに使われていた。
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コバルト【cobalt】
① 9 族(鉄族)に属する遷移元素の一。元素記号 Co 原子番号27。原子量58.93。灰白色の金属。展性・延性があり強磁性を示す。高速度鋼などの合金製造のほか、酸化物はガラス・陶磁器などの顔料に利用される。
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世界大百科事典内のコバルトの言及
【コーボルト】より
…一説には山の精。コバルトの語源を銀山でのコーボルトのいたずらに求める説もある。【新井 皓士】。…
【太平洋】より
…こうした現世堆積物の分布パターンの詳細は,堆積物柱状サンプルでも認められ,地質時代をさかのぼって,海底拡大に伴い古海洋学環境がいかに変わってきたかを知るのに役立っている。海底堆積物
[海底資源]
海底に長くさらされ平均10万年に厚さ1mmの速度で被覆成長するマンガン団塊は,ニッケル,コバルトを含む有用な金属資源であるが,太平洋,特に北太平洋の海嶺上に広く分布する。海底表面のみで,大西洋,インド洋における合計に匹敵する1000億tの団塊があるとの試算され,世界各国によって積極的に調査されている。…
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