コートールド(英語表記)Samuel Courtauld

改訂新版 世界大百科事典 「コートールド」の意味・わかりやすい解説

コートールド
Samuel Courtauld
生没年:1876-1947

イギリス実業家芸術の保護者。代々エセックスで絹織物業を営む家系に生まれる。彼の代には新たに人造絹糸を扱って営業は海外にまで発展した。音楽と美術に造詣の深かった妻の影響で,美術の保護者となる。1923年テート・ギャラリーゴッホの《ひまわり》などを含むフランス印象派,後期印象派の絵画を購入する資金を寄付。その中の何点かと彼個人の収集品は,現在コートールド・インスティチュート・ギャラリーズとして公開されている。彼はまたアダムの設計になるロンドンの私邸を,20世紀初頭ロンドン大学に貸与し,コートールド美術研究所Courtauld Institute of Artの創設を援助した。さらにワールブルク研究所ハンブルクからロンドンへの移転にも貢献した。この二つの研究所は現在ロンドン大学に統合され,イギリスにおける美術史研究の中心になっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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